◆あらすじ　小説、映画、漫画、あらゆる創作物が人工知能アキラによって生み出され、創作行為それ自体が違法とされている時代。　違反者を捕まえる取締官の俺は、その功績を認められ、ある時、情報省審議会の会議に召集される。しかし、そこで与えられたのは褒賞ではなく、信じがたい真実。審議会曰く、すでにアキラは壊れかかっており、新しい創作物が生まれなくなっていたのだ。その代替策に、彼らは俺にある地下組織に潜入し、違反者共を罠にかけ、映画を作らせることを命じる。　拒否権のない公僕の俺は、仕方なく地下組織ビオスコープに潜入し、身元がバレないよう裏で糸を引き、映画制作に尽力していった。だが、そこにいた愚か者どもの相手をするうちに、俺は映画制作の魅力を知ってしまう。そうだ、俺は映画が好きになってしまったのだ。　しかし、映画制作が佳境に入った時、取締官による捜索の手が迫り、構成員の1人が死亡、地下組織はバラバラになってしまう。審議会は、俺を裏切り、俺たちの作品を盗んで行ったのだ。　何とか逃げおおせた俺は、急いでビオスコープのボスに連絡を取る。ボスは言う。初めからこの地下組織はアキラの代わりに用意され、作品が完成次第、構成員ごと廃棄するつもりだったと。俺は激昂した。そして人が何かを伝えるための創作の価値を力説した。すると、ボスは真の正体を現した。彼こそは政府に属しながらも、アキラから人の手に創作を取り戻そうとする本物の反逆者だったのだ。そうして俺は本当の地下組織の仲間となった。　俺たちから盗んだ映画をアキラの作品として上映される日。俺たちはアキラの体内にある試写室に忍び込み、オンライン上映機構を切断、代わりに生放送を敢行した。そして、全世界に向けて、人の手による創作がまだ死んでいないことを訴えた。「この物語は、今あなたが観ているこの物語は、私たち人の手によるフィクションです」登場人物／イチカワ・ゲンゾウ：戯芸府情報省職員、取締官ワダ・コマドリ：戯芸府情報省職員ダダイ：審査会議長オスカー・シンドラー：地下組織ビオスコープの設立者デイビッド・ボーマン：地下組織ビオスコープのメンバーテリー：地下組織ビオスコープのメンバーシュピルマン：地下組織ビオスコープのメンバーチャーリー：地下組織ビオスコープのメンバーホリー・マーチン：地下組織ビオスコープのメンバーブルース・リー：かつての銀幕のスター、その複写生命マリリン・モンロー：かつての銀幕のスター、その複写生命オードリー・ヘップバーン：かつての銀幕のスター、その複写生命アキラ：この国の全ての創作物を生み出す人工知能更新頻度／平日午後6時（全52話）予定…続きを読む