第6話 るなさん、本当に何を送ってくれたんですか? (2/2)

「?はい、受け取りますけど……どこに?」

ぱっと見お兄さんに荷物らしき物は見当たらない。

「ちょっとここでお渡しするのが難しいといいますか。車のほうまで来ていただくことはできますか?」「はあ」

ふむ……ここで一つ思い当たる節が。るなさんだ。俺に身に覚えがないうえに、るなさんは何かお礼を送ると言っていた。 ……配達の車まで行かないと受け取れない荷物って、るなさんあなた何を送ったんです? お兄さんについて車まで行くと、そこにはよく見るトラックが。

「お手伝いはするので、ここで手続してもいいですか?」「印鑑とかいります?」「サインで大丈夫です」

お兄さんがトラックの荷台を開ける。するとそこには、ひと際存在感を放つ段ボールが。

「もしかして」「あ、はい。あれです」

かなり大きな段ボールだ。俺くらいなら中に入って隠れられるんじゃない?

「重さはそうでもないんですけど、大きいので。すみません」「いえ、大丈夫です。こっちこそなんかすみません」「仕事ですから」

朗らかに笑うお兄さん。やっば、イケメンすぎ? お兄さんから差し出された用紙にサインをして、お兄さんと一緒に俺の部屋まで運ぶ。言われていた通り重量はそれほどでもなく、大きさから考えればとても軽いといえる。

「ありがとうございました」

お兄さんにお礼を言って別れる。そして残された俺と大きな段ボール。るなさん、本当に何を送ってくれたんですか? 見た目は無地の段ボール。企業のロゴが入っていたりなにかデザインが施されていたりなんてことはない。

「開けてみるかぁ」

カッターを持ってきて開封。すんなりと入った刃はスーッとテープでされた封を割いていき、ついに封印は解かれた。 意を決して中身を見ると、そこには白い物体。まあ発泡スチロールだ。とりあえず段ボールの次は発泡スチロールの封印が出てきたので取り出す。 発泡スチロールもすべて取り除く。するとその中には外装に比べて二回りほど小さな一つの箱が入っていて。

「これって……」

記憶が呼び起こされる。そう、それは──昨日。学校からの帰り道で見た。

「さ、最新版最上位グレードのゲーム機……!?」