第6話 るなさん、本当に何を送ってくれたんですか? (1/2)

やってしまった……。 久しぶりのゲームは楽しくて、気が付けば一時間、二時間と時が過ぎてしまい、現在時刻は深夜四時。いや朝四時のほうがあってるかな? フルダイブの感覚は独特で、慣れるまでに多少の時間を要する。しかし慣れてしまえば現実ではできないような挙動ですらできるようになるので、楽しさが激増するのだ。

「どうしようか」

外はいまだ暗いまま。今日は土曜日で学校は休み、バイトも休み。このまままたゲームをするのもいい。眠気もあまりないし。

「いや、やりすぎはよくない、か」

朱音がよく言っている。「私はゲームが好きで好きで愛してるけど、だからこそ時間を決めて無理のない範囲でやってるよ。のめり込みすぎてできなくなったら元も子もないからね」と。まあその時間っていうのが一般人からしたら長いし、強制的に終了させられるらしいからぶつくさ文句を言っているのをよく聞いているのだが。 ということで、俺は寝ることにした。お風呂は面倒なので起きた後で、若干ある眠気をなくさないうちに布団へもぐる。 すると思った以上に眠気というものはあるらしく。自分でも気づかないうちに眠りの魔力の中へと落ちていった。

──ピンポーン

……ん……なんか鳴ってる……?

──ピンポーン

……誰か来たのか……?

──ピンポーン

……うるさいなぁ……もう少し寝させて……・

──ピンポーン──ピンポーン──ピンポーン──ピンポピンポピンポピポピポピポピンポーン

「うるさいなぁ!?」

せっかく人が気持ちよく寝ているというのに。 激しくインターフォンを押す犯人を突き止めるため、俺は玄関のほうへと向かった……

「なんですか?」「高野蒼さんですか?」「そうですけど」「あなた宛ての荷物があるのですが……」

インターフォンを押していたのは配達のお兄さんだった。あの、苦情入れますよ? とはいえ、俺宛の荷物?何か頼んだ覚えはないんだけど。しかもお兄さんちょっと困惑してるというか、苦笑い気味。