第13話 (1/1)

ご飯を食べに行こうとしたら廊下で紺色頭さん(仮)とすれ違って、すごい怒られた。

「飯は部屋に運ばせるっつったろ!?」「え、そうなの?」「ああそうだ!!」

紺色頭さん(仮)は「言った」と告げていたけど、私からしてみれば聞いていないので言われていないも同然。おかしいな、校長先生の話を聞くモードじゃなかったはず。単純にどうでもよさそうだったから忘れたのかな? でも私、食い意地張ってるからご飯関係の話って忘れづらいと思う。

「いいから頼む、部屋から出るな!!分かったな!?」「了解したよー」

また部屋に押し込まれた。うん、窮屈。 確かに部屋で延々寝てるのもいいかもしれない。だけどそれだと健康に良くないよね。 一応部屋から出るなっていうのの目的は「邪魔するな」だから、外に出るだけなら邪魔じゃない。じゃあ良いね。

私は早速言い付けを破り、窓をよじ登って外に出た。

「あっ」

ドレスのすそがびりって言ってしまった。駄目だなあこれ。動きづらい。芋ジャージとかおうちになかったから、仕方なくこの服で妥協してるんだけど、やっぱり駄目だった。ドレスさんは私のアグレッシブな動きについてこれない。

まあいいや。

破れたドレスはそのままに、私は雑草を調べているネオアームストロングへ近づいた。

「ネオ、それって食べられる草?」「我にとって植物とは全て食用」「エコな体してるねぇ~」

昔私の庭で生えていたミントも食べてくれたらよかったのに。 雑草なんてむしってもむしっても生えてくるから、一家に一台ドラゴンって必要かもしれない。草食べてくれるならヤギとそんなに変わりないよね。じゃあ大体ヤギと同じ。

ドラゴン飼うってなったらハードルが高いけど、ヤギを飼うってなったら少しはハードル下がるし、この雑草対策は皆に勧めたいなあ。まぁでもドラゴン見つけてくるのは大変だと思う。

「でも好き嫌いとかないの?」「そこまで繊細な味覚は持ち合わせておらぬ。生き残るのに必要ない」「なるほどー?」

よくわからないけど、人間様の繊細な味覚は生き残るのに必要なもの?らしい。 なんでも食べられるから別においしいとかまずいとかで自分の命を守る必要がないってネオアームストロングは言ってた。あー、そーゆーことね。うんうん。

「そういえばネオってどうして人間の姿になったままなの?」「この姿の方が燃費が良い。人と共に暮らすには」

私はドラゴンについてまた一つ詳しくなった。どんどんマメ知識の引き出しが増えてってる気がするね。