第4話 side 南雲 優 (1/2)
まさに第一印象はギャルだった。
眩しく煌めく金髪、バシバシに決まった睫毛、耳から覗かせているピアス、少し気崩された制服。 彼女が醸成する柔和な雰囲気はなんだかアンバランスで。
話掛けようかと迷っているワタシ、そんな視線に気づいた彼女――
「俺になんか用?」
――第二印象はヤンキーだった。
***
(うーん、相談する相手間違えたかも?)
そう、ワタシこと<ruby><rb>南雲優</rb><rp>(</rp><rt>なぐもゆう</rt><rp>)</rp></ruby>は入学初日から迷っていた。 入学式で出会った同じ学年の子に親友自慢をしている間にその親友に置いて行かれていたのだ。
下駄箱まで来たものの、居たのはこのヤンキーかぶれのギャルぐらいだった。
「親友を探してるんですけど」
向こうから声を掛けられた以上、無視するわけにもいかないので一応返事を返す。
「連絡してみたら? Limeは?」
「ちょうど、ブロックされてて……」
「丁度……? てか、m class="emphasisDots">親友、なんだよな?」
「よくぞ聞いてくれました……!」
ワタシは抜かりなく親友自慢を交えながらこうなった経緯を彼女に説明した。 すると、意外にも彼女は親身に話を聞いてくれるタイプだった。
「――要するに厄介ファンって事でいいか?」
「違うよ?? 大親友で幼馴染」
どうやら彼女はあまり理解力がある方では無いらしい。 本来なら分かるまでワタシの親友自慢をしたいところだが、あいにく今はそんな時間がない。
「ま、まぁ乗りかかった船だし、お前のダチを見かけたら一応声掛けとくよ。お前の名前は?」