第8話 閑話 中 (1/2)

-最上side-

将司は俺がここで目を覚ますまでにあったことを話してくれた。 俺は諸々の話を聞き、ひとしきりパニックになった後、現在はなんとか落ち着きを取り戻していた。

「そういったファンタジー作品を目にすることはあったが、まさか俺が当事者になるなんてな...」 「ほんとね、たまんないよね」 「・・・え?」 「あ、いや、ほんとびっくりだよね!」 「そ、そうだな」

急に意味もわからず異世界に連れてこられた割には将司がいつもより生き生きしてる気がするが、まあ気のせいだろう。

「確か、召喚された俺たちには特別な能力とやらがあるんだったよな? それってどうやったらわかるんだ?」 「ああ、僕たちは意識を失ってる間に鑑定されてたみたいだけど、久我君のところに行ったらしてもらえるんじゃない?」 「なるほど、じゃあ行ってくるわ」

俺はそう言って今もクラスメイト達から怒声を浴びている久我のもとに向かい、鑑定をしてもらった。その時に聞いた話だが、召喚に時間がかかればかかるほど、その個体の個体値は高いらしい。個体値が高いほど身体の組み替えに時間がかかるんだと。 だから鑑定してもらいに行ったとき、遅れて召喚されてきた俺に対して久我が興奮した様子で近寄ってきたのか。あれには正直ドン引きだったわ。 あ、個体値ってのはまあ簡単に言うと、その個体の能力をわかりやすく数値化したもので、その数値が高いほど個体として優れているらしい。要は、個体値が高いほど強いってわけだ。  そして今鑑定してもらった俺のステータスが...

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名前:最上 愛音    個体値:45200種族:人族言霊:自尊称号:異世界人 技能:ユニークスキル -唯我独尊-           -有頂天-   ノーマルスキル -身体強化-           -開示-

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おおぉ、なんかこういうのを見たらワクワクするな。 ユニークスキルってことは、俺だけのスキルってことかな? こりゃ名前見ただけじゃどんなことができるのか全くわからんな。 まぁそれは後で調べてみるとして、  個体値は... 45200か...。 召喚に時間がかかるほど個体値は高いって言ってたけど、俺って強いのか? 召喚に1番時間がかかったのは俺のはずだが...。

「将司、自分のステータスを他人に見せることってできるのか?」 「えっと、『開示』ってスキル貰ったよね? そのスキルを使えば多分できるはずだよ」 「まじ! じゃあ将司のステータス見せてくんね?」 「え?なんで? 嫌なんだけど...」 「いいからいいから! 共有しておいた方が後々やりやすいかもじゃん!」 「・・・はあ、わかったよ...」

将司と最上は幼い頃からの親友だが、昔から将司は最上に逆らえないのである。